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心とからだのセラピースペース


by まりりん

『これ、食べていいの?』

『これ、食べていいの?
   ハンバーガーから森の中まで――食を選ぶ力』

     マイケル・ポーラン 著
     小梨 直 訳       河出書房新社 1900円+税


図書館で目にして何となく借りました。
夫が読み始めて
「トウモロコシのことばっかり書いてある」
と言っていたのが、
どんどん面白くて、最後まで読んでしまいました。

「とっても素敵なことが書いてあるよ」と言うので
私も読んでみました。


著者は1955年生まれのアメリカ人。
食や農業、ガーデニングなどについて書いているジャーナリストです。

『雑食動物のジレンマ』東洋経済新報社 という大人向けの本の、子供版ですが、
大人でもこのくらいで充分、という感じです。


その一口はどこから来たのか?
そしてどこへ向かうのか?

世界的大ベストセラー
『雑食動物のジレンマ』を書いた
ポーラんさんと一緒に考えてみる。


食の流れを4つに分けてたどっています。

1 大量の「工業食」
2 流行のオーガニック(有機食品)
3 持続可能な地産地消の食
4 菜園と狩猟採集


巨大な農園
円形に植えられた、見渡す限りのジャガイモ畑。
スプリンクラーでの潅水、施肥、防除。
機械が故障しても、猛毒の農薬が散布されているので、修理に入れない。
収穫したジャガイモは、
毒が弱まるまで6か月も保存してからフライドポテトに加工。

草を食べる生き物である牛が、
トウモロコシを食べさせられることによって、
胃が強酸性になる。
ここで進化した新種の細菌は、
人間の胃でも死なない。
その一つがO157。
集中飼育場の牛の腸内で大繁殖し、
保有する肉牛は全体の4割にのぼる。


次々と「工業食」の恐ろしさが見せつけられます。


でも、理想に近い農場も、規模は小さいけれどあちこちに、あるのでした。
読んでいるとどんどん楽しくなってきます。

有機的につながった農業と牧畜。
捨てるものがない、全てが循環。
地元で消費される。
地域の人たちに喜ばれている。

本では知っていたけれど、
実際にこう言う農場が増えてきている!
なんて楽しいんでしょう!!


狩猟のためにポーラんさんは銃の免許を取り、
実際にイノブタを仕留めます。
その時の心境も詳しく書かれています。

そして、取材でお世話になった人たちを招待して、
てんてこ舞いで1週間も準備して、
自分で料理してふるまいます。


最後に著者は、私たちにできることを提案してくれています。
少しでも、いい方向の進むように、
私たちは「選べる」

選ぶためには、
実際に食べ物がどういうところでどんなふうに作られているのか、
知ることが必要ですね。



by d_rainbow | 2018-08-03 10:08 |