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心とからだのセラピースペース


by まりりん

『生きる職場』

『生きる職場   小さなエビ工場の
         人を縛らない
         働き方』    

   武藤北斗 著  イーストプレス  1500円+税  2017年


著者が工場長をしていた
小さなエビ工場は
東日本大震災の津波で全壊し、

大阪で
1億4千万円の2重債務を抱えて
再起を図ることになりました。


震災をきっかけに、
生きることをシンプルに見つめるようになった彼は、
人を縛り、管理し、競い合わせる今の会社や社会の在り方に
疑問を持つようになります。

まずは自分の足元から、
従業員が
「とにかく働きやすい職場にする」
ことを始めます。


働きたい日の働きたい時間だけ働く。
休みも遅刻も早退も連絡不要。

やりたくない仕事はしない。
やりたい仕事をする。


そんな勝手をさせて、やっていけるのか!?
という反応が普通です。

ところが、4年が経過した今、
人件費は下がり、
効率も品質も上がり、
「この働き方がなければ、
会社を継続していくことはできませんでした」


以前は、1年くらいでやめる人が多く、
新人採用、育成が負担になっていたのが、
働きやすいから長く続くので、
新採の手間も不要、技術も向上。

苦手な仕事をしなくていいから
ストレスがなく、
好き、得意なことだけするから、品質が向上。


管理や競争がなくなることで、
人を批判的に見ることがなくなり、
感謝、協力が自然に育ってきているようです。

以前はあった新入りと古参の上下関係や
いじめもなくなったそうです。


休憩5分前に準備時間を設けるとか、
忘年会をしないとか、
丁寧に面接をして、
より良い職場にするための改善を
どんどん続けているようです。

いいだろうと、
外から持ってきたルールは失敗することが多いとか。


「笑いと笑顔が絶えない職場」とは違う
というのも、
なるほどー!です。


「単純作業でも、
意義ある仕事なら誇りが持てる」

この小さなエビ工場の
成り立ちからして、
普通と違う、と私は思います。


理念が大事だなあ、と思います。
そこからぶれないことが大事だなあと思います。


こういう試みが、広がってほしいです。

理念、理想からやっていたことの先に
出てきた必要によって作られたもの。


  

by d_rainbow | 2018-05-01 15:37 |