心とからだのセラピースペース


by まりりん

『世界一幸せな子どもに親がしていること』

『世界一幸せな子どもに親がしていること』

   リナ・マエ・アコスタ&ミッシェル・ハッチソン 著
   吉見・ホフストラ・真紀子 訳

       日経BP社   1600円+税  2018年1月22日


アメリカ西海岸で育ったリナと、
イギリスで育ったミッシェルが書いています。

2人ともオランダ人男性と結婚して、オランダで暮らし始めます。
そして、当たり前と思っていた自分の子育て法が、
オランダのやり方とずいぶん違うことに気づきます。

オランダの子どもはみんなずいぶん幸せそう。
そして、お母さんたちもゆったりして、幸せそう。

いいな、と思い始めます。


2人はお母さんたちや、お父さんたち、
子どもにかかわる、いろんな分野の専門家にインタビューします。

赤ちゃんと幼児を育てるリナが、
乳幼児期の子育てを、
思春期の子どもたちを育てているミッシェルが
大きい子どもたちの子育てについて、
主に書いています。


オランダの子どもたちは、
親に監視されずに、かなり自由に遊びまわっているようです。

かなり早くから一人で行動させることや、
早期教育をしないことへの
著者たちの驚きと戸惑いが書かれています。

私は逆に、イギリスやアメリカは、そんなにひどいのか!と驚きました。
でもひょっとして、今の育児は、日本も同じで、
私が知らないだけ?


オランダの小学校には宿題がない。
オランダの小学校は成績を付けない。
テストもほとんどない。
親も子も、テストも成績も、まったく気にしない。

競争がない。
みんな仲がいい。
助け合う。

でも、こういうことは、実は
子どもにだけそうすることはできないんですよね。


オランダでは、
平等であることが幸せにつながると考えて、
不平等をなくす施策を
積み重ねてきているようです。

人生の成功とは何か?
が、アメリカやイギリス、日本と違うようです。
というか、
成功より幸せが大事、と考える人が多いのかな。

「オランダ人は、
自分がどれだけすごいことを成し遂げたかなんて
気にしない」
とオランダ人の友人が言うそうです。

だからオランダにはママ同士の争いがなく、
子どもの才能に目を向けることに熱心な人もいない。

家族が居心地よくいられる、ということを大事にしているようです。


お母さんたちはたちオランダの子どもたちの幸せについて

「幸せというのは、何かをたくさん持っていることではなく、
自分の持っているものや自分の置かれている状態を
受け入れることなんじゃないかしら」

「会話に参加して自分の意見を発言できる場がある」

「親がパートタイムで働くから子供と過ごせる時間がたくさんある」

「外に出て、街中どこでも好きなように遊ぶことができる」

と言います。


学校、教育は、
選別、振るい落としをするのではなく、
一人ひとりの能力を高めることに
力を注ぎます。

成績が振るわない子は
ダメな子とレッテルを貼るのではなく、
援助が必要とみて、
必要な手助けを講じます。

早期教育ではなく、
他人と楽しい関係を作る力を育てる
遊びを重視します。


出産後に母親を
できるだけ健康な状態に戻すことを国益と考えているようで、
家庭の収入に関係なく、
産褥看護師「クラームゾルフ」が
出産後8から10日間(必要ならそれ以上)
産後ケアとサポートのためにすべての家庭に派遣されるそうです。

母乳の飲ませ方、沐浴指導から、
炊事、買い物、掃除、
来客があれば暖かい飲み物とクッキーをふるまってくれたり、
上の子の遊び相手までしてくれたそうです。

とても必要なことだと思うし、うらやましいけれど、
日本にはもちろん、アメリカにもイギリスにも、
こういうサービスはないそうです。


ミッシェルの子どもが中学生になる時に、
思春期の子の親への指導が
1対1でされます。

そこでは、
思春期とはどういうものか、
詳しく説明され、冊子が渡されます。

思春期は、眼球も急激に成長するので、
目の奥の痛みや、
頭痛が起きることがある、
と冊子に書いてあったそうです。

私の友人のお嬢さんは、
頭痛がひどくて、何度もCTを撮ったと聞きました。
こういう知識があれば、
不要な大量被曝や心配を
しないで済んでいたことでしょう。


必要な時に必要な情報と手助けが
親にも子にも得られるのはうらやましいです。

日本では、
必要な情報提供や援助は得られず、
うまくいかなければ親や子どもが非難されるばかり、
と、ちょっとひがんだ気持ちになりました。


「終わりに」でミッシェルは書いています。

「過保護な親は、
しばしば学校や教師やほかの人といった、
外的要因を非難するが、
自分自身の不安について取り組んだほうがいい。
劣等感を感じている親は、
子供の成績を通じて自分と重ね合わせ、
失敗を取り繕おうとする傾向がある。
しかしそれは自己満足だ。」・・チョットキビシイけど、確かに(-_-;)
(日本には、不安をあおるもの、親を追い込むものがとても多いと思います)

「国民的によく言われる
『自分らしく普通にふるまいなさい』
という言葉がその(平均ということに重きを置く価値観)意味を
巧みに表現している。
オランダ人は、ユーモアをもって自己分析しながら
物事を大局的に見ようとする。
それは
自分の地位や成功ということに焦点を当てたものでは
全くないのだ。」


素敵なモデルを見せてもらって希望が持てて、
気持ちが明るくなる、楽しい本です。








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by d_rainbow | 2018-04-12 12:00 |