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心とからだのセラピースペース


by まりりん

『心の科学 戻ってきたハープ』

『心の科学 戻ってきたハープ』

エリザベス・ロイド・メイヤー 著
大地 舜 訳          講談社  1900円+税


愛魂の保江邦夫さんの本のどこかで紹介されていた本です。
「精神物理学」に関連して。
市立加古川図書館で借りて読みました。


著者は精神分析医で、科学的思考をしっかり訓練された研究者です。

ハープの演奏者である娘がとても大事にしていた貴重なハープが盗まれます。
八方手を尽くして探しますが見つかりません。
最後の手段、だめもとで、友人にすすめられたダウザーに電話をかけます。

ダウザーのハロルドが、ハープのある家を特定し、
ハープが戻ってきたことに驚いた著者は、
「このことはすべてを変えてしまう・・・。」と思いました。


それから著者の、科学的に証明されないけれど起こる不思議なことの探求が始まります。

「比較的堅固で、さしたる不満もなく、かなり安定していた私の世界観」を始め、
何が普通で、何が異常なのかという感覚も、研究の方向も、働き方も変わります。


超常的な体験がどんどん寄せられてくるようになり、その多さに驚くとともに、
忘れていた自分の過去の超常的な体験も思い出します。
   

世界的な脳外科の権威が、原因不明のひどい頭痛を抱えて患者としてやってきます。

脳の手術で一人も死なせたことがない彼は、
手術が必要な患者の枕元に座り、光が現れるのを待ちます。
光が現れれば、手術は成功し、患者は死なないのです。
でも、そんなことは人には話せません。
それで、研修医に教えることをやめる決断をしました。
その直後から頭痛が始まっていたのです。

直感で患者の危機を察知し、救う医療者も多いようです。
でも、周りに理解してもらうのに苦労するようで、
こういう能力が認知されれば、ロスが減る!!と思います。


過去の研究を調べる著者は、多くの質の高い研究の存在に驚きます。
それらのほとんどが省みられることなく、葬り去られているのです。

著者にとって「えせ科学」か穏やかな言い方でも、悪い科学を連想させる名前でしかなかったラインが、
調べてみると印象が変わった。
「彼らの仕事は非常に厳密なもので、聞いていたのとは大違いだった。」
「ライン夫妻の研究に対する批判の歴史・・・それはちょっとした物語だ。」

「科学史を見ると、性急な科学が拒絶した事実が、後世の科学の礎石になった例がいくつもある」

「並外れた主張には、並外れた証拠が必要となる」

これは今騒がれているSTAP細胞についても言えることですね。
女性学にも当てはまります。


著者は、ゲシュタルトのカップと横顔の図や、4つの箱などを使って、
超常現象の存在を認める科学者と認めない科学者の対話の可能性を探求しますが、
このあたりは私にはちょっと退屈でした。

今は「超常現象」でも、いずれは(そんなに先でなく)当たり前、普通のことになるんじゃないのお?
なんて思ってしまうから。
現に、その頻度も、体験する人も、能力を持つ人も、どんどん増加しているんだから。

たくさんの、存在がはっきり証明されたことが、
その後何らかの圧力によって否定され、
人々はうそを信じ込まされている。
たとえばアメリカの陸軍が実際に活用していた遠隔透視など。

でも、それがみんなうそだったと分かれば、
あっけなく「なあんだ!」ってなるんじゃないかなあ??



ちなみに、こういうことを一番信じているのが物理学者、一番否定するのが心理学者だそうです。
最先端の物理学では証明されていることも結構あるのですから。

フロイトも超能力に気付きながら、学者生命を失わないために口を閉ざしたようです。


テレパシー、予知能力、思考が物質に影響を与える能力が普通の人に普通に存在することが
厳密な実験で証明されていることが確認できて、読後感は良かったです。

興味を惹く文献を見つけ、連絡をとり、共同研究をし、会合を持ちといった、著者の研究者としての動きが書いてあり、
研究というものは、こういうふうに拡がっていくのか、という面白さもありました。


「ハープはどんな状態だった?」
驚くほどいい状態でした。
「そうなるように計らったんだ。」
念というのは、よく効くんだよ?
ハープが帰ってきたときのハロルドとの対話です。

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                 ゼロ会メンバー あみちゃん撮影




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by d_rainbow | 2014-03-17 15:52 |